Gunma-LI の使用法

はじめに

  1. [Gunma-LI] は2003年に田中学博士が開発した[ImageJ]のプラグインソフトウエアです。著作権は田中学博士が所有しています。
  2. このソフトウエアは以下の文献に発表されていますので、このソフトウエアを使った研究論文を発表するときには引用をお願いします。

    Gaku Tanaka, Yoichi Nakazato: Automatic quantification of the MIB-1 immunoreactivity in brain tumors. In: Watanabe K, et al. (Eds): Developments in Neuroscience. Proceedings of the 3rd International Mt. Bandai Symposium for Neuroscience and the 4th Pan-Pacific Neurosurgery Congress. International Congress Series, Volume 1259, February 2004, Pages 15-19. Elsevier B.V., Amsterdam.
    doi:10.1016/S0531-5131(03)01668-6.

  3. 上記の論文は、Googleの検索ボックスに(2)末尾の”doi”以下の文字列を入力して検索することによりの閲覧することができます。
  4. Windowsパソコンで動作します。Windows 2000, XP, Vista, 7, 8 での動作は確認済みです。
  5. 動作は[ImageJ]のversionに依存します。[ImageJ version 1.29] で最も安定して作動します。
  6. このソフトウエアを他の研究者に頒布してもかまいませんが、ソフトウエアの改変はしないようにお願いします。
  7. このソフトウエアを使用して不具合が発生しても、ソフトウエアの開発者およびNPO法人日本脳腫瘍リファレンスセンターは責任を負いません。必ず自己責任にて使用してください。

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使用法

  1. このサイトの中にあるImageJ.zipとSampleImages.zipをダウンロードし、解凍してから、内部のフォルダ”ImageJ“と”SampleImages“をPCのルートディレクトリ(C:¥)に置いてください。
  2. ImageJフォルダ内にあるショートカット”JmageJ“をダブルクリックで起動してください。ImageJが立ち上がり、小さいウインドウが開きます。
  3. メニューバーのなかの”Plugins“をマウスでクリックすると、下方にメニューが出てきますので、マウスを滑らせて下から2番目にある”GunmaLI“にマウスを合わせると、横に”GunmaLI ver017“メニューが表示されますので、これをクリックで選択してください。
  4. 小さな”Results“ウインドウが開き、

    “Connecting to the server…”
    “Failure”

    と表示されますが、現在はサーバーへの接続はしていませんので、これは無視してください。

  5. 次に、縦長の[GunmaLI_ver017 plugin]ウインドウが表示されますので、この中の下から3つ目のバー “SINGLE” をクリックしてください。
    解析する画像を選択するウインドウが開きます。
  6. 目的の標本より画像をデジタルカメラで撮影し、PC内に保存してください。
    撮影する画像はピクセル数の大きい場合には解析に時間がかかりますので、640×480ピクセル程度が最適です。
    保存形式はJPEGでもTIFFでもBMPでも結構です。撮影するときの対物レンズはx20が良いと思います。
    条件の良い標本の場合には対物レンズx10でも使えます。
  7. GunmaLIの画像選択ウインドウから、解析する画像ファイルが保存してある場所へ移動して、画像ファイルを1つ選択し、「開く」ボタンをクリックしてください。
  8. およそ1~2秒後に解析がおわり、3つのウインドウが表示されます。
    1つは解析した元画像、2つ目は陽性核を赤、陰性核を青で表示した解析画像、3つ目は[ANALYSIS]ウインドウです。
    ここで大切なことが一つあります。元画像と解析画像を良く見比べて、コンピュータの解析結果を自分の目で評価することです。
    元画像の陽性核が赤で表示され、陰性核が青で表示されているか否かをじっくりと観察してください。もし正しく認識されていることが確認されたら、[ANALYSIS]ウインドウをみてください。
    陽性と陰性の認識が正しくないと判断したときは撮影条件を様々に変更させて、再度撮影してください。
    経験的には、顕微鏡の照明電圧を微妙に上下させると良い画像が得られることがあります。
    赤(陽性核)が不足の時は電圧を下げ、青(陰性核)が不足の時は電圧を上げてみてください。
  9. [ANALYSIS]ウインドウには次の数値が表示されます。

    File: 解析したファイル名です。
    EstimatedLI(%): GunmaLIが算出した陽性率です。
    LI-n(%): 陽性核数のパーセント
    LI-a(%): 陽性核面積のパーセント
    number-p: 陽性核の個数
    number-n: 陰性核の個数
    area-p: 陽性核の合計面積(ピクセル)
    area-n: 陰性核の合計面積(ピクセル)
    meanSize-p: 陽性核の平均サイズ(ピクセル)
    meanSize-n: 陰性核の平均サイズ(ピクセル)

  10. MIB-1陽性率として、”EstimatedLI(%)“を採用します。

    ちなみに、JBTRCのPCでの ”SampleImages”フォルダの中のデータ測定値は、
       MIB-1-low = 2.0%
       MIB-1-mid = 14.7%
       MIB-1-high = 31.5%

    でした。

  11. 1回の測定を終えて次の画像の測定に移るときには、[GunmaLI_ver017 plugin]ウインドウの一番下のバー”DISPOSE IMAGES“をクリックして、表示されている画像を消してから、上記5.の手順から繰り返してください。

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注意点

  1. 本ソフトウエアで得られる “EstimatedLI(%)“は、多数例の脳腫瘍サンプルを計測して、同一症例を人の目で計測した場合のMIB-1陽性率に最も近づくように、LI-n(%)の数値とLI-a(%)の数値をパラメーターとする計算式を田中博士が考案し、その式から算出された数値です。したがって、「1000個の核をみて何個の核が陽性であった」という、一般で通用しているMIB-1陽性率とは異なっています。そこで、このソフトから得られた “EstimatedLI(%)“をMIB-1陽性率として使用するときには、たとえば “MIB-1 LI= 12.4% (Gunma-LI)” のように記載するとよいでしょう。
  2. ImageJは日本語化されていないソフトです。画像データのファイル名や保存してあるフォルダ名に日本語などの2バイト文字を使うと解析できませんので、注意してください。

説明は以上です。

 ご質問などがありましたが以下までご連絡ください。ただし、ソフトウエアのversion upや改良などのサポートには応じられませんのでご了承ください。

NPO法人日本脳腫瘍リファレンスセンター
顧問 中里 洋一
E-mail:nakazato_yoichi@gunma-u.ac.jp
TEL:027-362-6201 / FAX:027-362-8901

メールアドレスは@を半角にして送信してください。

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